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乳酸は疲労物質ではない?「筋肉の生理学」と「4つのエネルギーシステム」



筋肉の生理学


体は、3つの異なる種類の筋肉でできています。骨格筋、心筋、平滑筋です。 心筋は、心臓に見られる筋肉です。平滑筋は、ほとんどの内臓器官に見られる筋肉です。そして、骨格筋が、遅筋と速筋に分類されるのです。

骨格筋の生理学は、非常にややこしいものです。理解しやすくするために、ここでは生理学をバラして、一つ一つを順に追って説明していきましょう。(図1参照)

すべての筋肉は、筋線維からできています。(遅筋と速筋)。すべての筋線維は、その筋肉の始まり(起始)から終わり(停止)まで全体に走っています。

すべての筋線維は、何千という筋原線維を含んでいます。この筋原線維は、筋節と呼ばれる小さな単位から成っています。筋節は、アクチンとミオシンを含んでいます。

アクチンとミオシンというフィラメントは、筋原線維の端から端まで、相互に規則正しく配列しています。筋原線維の終点では、アクチンとミオシンは、交差しています。(神経刺激の結果として)カルシウムイオンが現れることによって、アクチンとミオシンは、共にスライドし、相互に影響し合います。これが、筋収縮と呼ばれるものです。

筋肥大は、bタイプの速筋線維を刺激することによって起こります。このbタイプの速筋線維を刺激することは、筋線維中の筋節の数を増加させ、また、それぞれの筋節中のアクチンとミオシンのサイズをも増加させるのです。




エネルギーシステム




ATPシステム
筋肉を動かすためには、人間の体に、絶えず科学的なエネルギーが補給されなければなりません。筋肉の収納や成長を合む、身体的な運動に必要な燃料は、我々が食べている食物から得られます。体における究極のエネルギー源は、炭水化物や脂肪、タンパク質ではありません。

体はすべてのエネルギーを、ATPから得ているのです。ATPは、食物が利用可能なエネルギーに変換される際の化学反応によって生成されます。ですから、体の究秘のエネルギー源は、ATPということになるのです。

ATP (アデノシン三リン酸)は、消化、循環、分泌、神経伝達、筋収縮、そして筋成長に使われます。その名が示すように、ATPは、3分子のリン酸がアデノシンと結び付いたものです。

ここから一つのリン酸が離れたときに、大量のエネルギーがより生産されるのです。体内のすべての細胞が、生命を維持するために、このエネルギーを使っているのです。筋肉だって、もちろん例外ではありません。

ここで残った分子は、ADP(アデノシンニリン酸)として知られています(図2参照)

CPシステム
ATPは、細胞中のエネルギー源として働きますが、一度に3オンスと、その量は限定されたものです。これは、たった2、3秒の運動しかできない、少ない量です。ですから、ATPは絶えず再合成される必要があります。

クレアチンリン酸(CP)というものが筋肉中にはあります。実は、筋肉中には、ATPの3倍の量のCPが存在しています。このCPが分解され、クレアチンリン酸になった時の方が、ATPからリン酸が離れた時より多くのエネルギーを生むので、容易にATPの再合成が行われる訳です。

今述べてきたような一連のCP-ATPシステムは、最大8〜15秒の運動のエネルギーしか供給しません(図3参照)

グリコーゲン ― 乳酸システム
8〜15秒の運動の後には、グリコーゲン ― 乳酸システムが働き始めます。筋肉中のグリコーゲンがグルコースに分解され、グルコースがエネルギーとして供給されるのです。

グルコースの各分子は、2分子のピルビン酸になり、それが2分子分の新しいATPを作るのです。2分子分のATPは、およそ40秒間のハードトレーニングを可能にします。これは、1セットを終わらせることができる時間です。

ピルビン酸の多くは、乳酸になり、筋肉中から血中に放出されます。たいていのボディビルダーは、乳酸を疲労物質だと思っているようですが、これは違います。

実は、セットを終えた後、乳酸はピルビン酸に再変換され、最終的にはATPを生産するのです(図4参照)

もちろん、乳酸にはマイナス面があります。乳酸が血中に放出されると、血液の状態が変わります。そう、より酸性になるのです。

この酸性状態は、蓄えられている炭水化物をグルコースとATPに分解してくれる酵素のいくつかを不活性化してしまいます。だから、疲労が生じ、運動が困難になるのです。

エアロビック・システム
エアロビック・システムは、食物の酸化を利用して、ATPを生産します。エクササイズが継続的なものになれば、エネルギー・システムは、エアロビック・システムの変わります。 エアロビック・システムは脂肪を燃料として酸化し、ATPを生産します。

ランニング、ステアマスター、エアロバイク、トレッドミルのような運動が、このシステムを使う者です(図5参照)



  • 究極の筋肉を作り上げるためのボディビルハンドブック
    2013年6月20日第6版発行
    著者:クリス・アセート
    発行者:橋本雄一
    発行所:(株)体育とスポーツ出版社


[ 究極の筋肉を作り上げるためのボディビルハンドブック ]

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