前回はシャンプーの見直しを提案させていただきましたが、身体作りに気をつかっている皆さんだからこそ、前回のシャンプーの話に対し敏感な反応をいただき、「髪にもかなり気を使うようになりました」という声を沢山いただきました。
ですから、引き続き髪について、お話しましょう。今回は、正しいシャンプーの仕方についてご紹介いたします。
正しく洗髪をおこなえば、薄毛予防につながる
1日に抜ける毛髪の本数はおよそ100本と言われています。そのうちの約7割が、洗髪の際に抜けます。抜け落ちる毛髪が惜しいからといって、洗髪の回数を減らすのは間違いです。1日に一回は洗髪した方がよいのです。
洗髪の際に抜けている毛髪は、寿命を迎えたものなので心配はいらない。むしろ洗髪を怠れば、頭皮は皮脂や大気中の汚れや毛髪料が付着し毛穴が詰まり、雑菌も繁殖し、抜け毛が促進してします。
1日のうち120本くらい受け落ちても正常な範囲というのが一般的見解です。しかし、それが200本、300本となれば危険信号だと思ってください。
最も日常的に行える薄毛予防は、正しい洗髪を行うことです。正しい洗い方を実践するだけで、かなりの割合の人が薄毛を改善できます。間違った洗髪方法によって薄毛を促進させている人が意外に多いということです。
まず洗髪はいつ行うべきか。朝シャン派もきっと多くいるに違いないが、原則として就寝前がのぞましい。睡眠中は成長ホルモンの分泌が活発になり、頭皮のターンオーバーも活性化する時なので、清潔な状態の頭皮でベッドに入るほうがよいのです。
正しい洗髪のポイント
正しい洗髪のポイントは3つ。ブラッシング、予洗い、すすぎ。
ブラッシングは洗髪前に行う。頭皮に付着した皮脂や汚れが浮き立ち、シャンプーの洗浄効果が格段に高まる。
予洗いというのは、シャンプーを毛髪につける前に、お湯のみで頭皮と髪をすすぐこと。5分くらい念入りに行うといいでしょう。実はこれで汚れの約7割くらいは落ちます。
そしてシャンプーで優しく頭皮を洗った後、すすぎをシャンプーの倍以上の時間をかけてすすぎをしっかり行います。ここが一番のポイントです。
洗髪下手は、言うなればすすぎ下手。頭皮に残ったシャンプーの成分がフケやかゆみの原因になり、皮脂のすすぎ残しが毛穴に再び詰まってしまうからです。
徹底的に、そして丁寧にすすぐ。念入りなすすぎによって、頭皮や毛髪の状態が改善するケースは非常に多いです。
ぬるま湯で前洗いする
シャンプー剤をつける前に、ぬるま湯でプレシャワーリングする。髪を濡らす程度ではなく、流す感覚で充分に髪にシャワーを当てる。髪の汚れはプレシャワーリングだけで70%くらい落とすことができます。
十分に泡立てる
シャンプー剤は直接頭皮にかけず、適量を手のひらで泡立ててから使う。直接地肌につけると、毛穴をふさいだり、刺激が強すぎてかぶれの原因となることがあります。シャンプー剤の適量は100円玉くらいを目処に加減します。
スカルプマッサージ
マッサージしながら頭皮の汚れを落とす。爪を立てずに指の腹で頭皮をもむようにして洗っていきます。痒みがある場合など爪を立てたくなるが、それは逆効果。傷められた頭皮は乾燥してフケや、より痒みを増すだけです。シャンプー時にマッサージを取り入れることで頭皮の血行が活性化し抜け毛予防にも効果的。毛穴の汚れもしっかり取り除くことができます。
十分にすすぐ
洗い終えたら充分すすいでシャンプー剤を流す。フケや痒みの多くはシャンプー剤が残っていること。シャンプーのぬるつきがとれても成分はまだ頭皮に残っているので、しつこいくらい洗い落とします。
タオルドライ
乾いたタオルで頭皮からふき始める。シャンプーと同様に、指の腹で頭皮をマッサージする要領で。タオルで水分をしっかり取ってくことは、ドライヤーで乾かす時間を短縮し、髪へのダメージを減らすためにも重要なプロセスとなります。
リンス・コンディショナーは必要か否か
リンスはシャンプーとセットで使われるものという認識が強い。そうなった理由は、シャンプーの洗浄力が強すぎるから。強すぎる洗浄力のせいで髪表面や頭皮の脂分を根こそぎ取り去ってしまう。それで髪の内部の水分が抜けてしまい、洗った後の髪がゴワゴワした感じになる。それを防ぐためにリンスの油分でコーティングします。
だが、髪が短く傷んでいない男性なら、必ずしも毎回リンスする必要はないという意見もあります。リンスを使わないメリットは、頭皮に薬剤が残る可能性が減ること。すすぎ不足でリンスが残ると、毛穴から分泌される通常の皮脂とあいまって頭皮がオイリーな状態になり、髪が重くなってボリュームが減るし、フケの原因にもつながります。
洗髪は夜にすべし
頭皮の環境をよくするためには、1日の汚れはその日のうちにしっかり落としておくことが重要です。「寝ている間にも汗をかくし、朝と夜2回シャンプーしたほうが髪に良いのでは」と自分も思っていたが、頭皮には必要な皮脂と不愉快な皮脂があり、1日2回シャンプーすると、保護成分のある必要な皮脂まで落としてしまう。
すると体は今以上に皮脂を作ろうと反応してしまい、脂質肌になってしまいます。
大切なのは、お肌同様、頭皮や髪も日々の手入れ、どうせするなら正しい方法で、健やかな髪を養いましょう。