まず、各人が一日に必要な最低限のカロリーを再確認することが重要です。これは、あなたの体脂肪をはかることによって分かります。
簡単な体脂肪測定によって、あなたの体脂肪が何パーセントあるか分かりますから、例えば、体重70kgで体脂肪が15%の人は、10.5kgの脂肪と59.5kgの筋肉があることになります。
簡単にするとこうです。
体重:70kg / 体脂肪率15%
70×0.15=10.5
70−10.5=59.5kgの筋肉(除指肪体重)
除脂肪体重が59.5kgの人は、一日に1190(59.5×2+0)カロリー必要です。この数字は、基礎代謝量(BM/Basal Metabolism)と呼ばれています。
この基礎代謝量が、筋肉を維持したり、内臓や脳にエネルギーを与えたりするのに必要な一日のカロリー数です。これは、生命を維持するのに必要とする最低限度の値です。
しかし、ダイエットの多くが、1190カロリー以下のカロリー摂取を要求しています。男性もそうですが、特に体重が70kg以下の男性なら、必要なカロリー量もそれ以下で、基礎代謝量も低いのですが、体重がそれ以上ある人、または筋肉の量が多い人は基礎代謝量が高く、カロリーも多く必要です。
この基礎代謝量には、食物の消化に必要なエネルギーや、毎日の活動、運動に必要な余分エネルギーは含まれていません。
ですから、基礎代謝量以下にカロリーを減らせば、体は筋肉や内臓をエネルギーとして使ってしまいます。そうなると疲労や倦怠を感じ、ダイエットは長続きしなくなります。
これが、あまりにも低カロリーなダイエットを行っている人の多くが失敗に終わるシナリオなのです。確かに脂肪は落ちますが、筋肉とエネルギーも犠牲になるのです。
しかも、カロリーを基礎代謝量以下に長期間抑えていると、体は“低カロリーで、以前のそれより高いカロリーと同じようにやりくりしよう”とします。
私はこの比喩が気に入っています。
たとえば、あなたが一カ月に20万円稼いでいるとします。ところが、社長があなたの給料を突然12万円にカットしてしまいました。あなたは、その12万円で、以前に20万円でしていたのと同じ生活を送ろうとすることでしょう。
しかし、しばらく経つと、あなたはお金を節約し、生活を変え、それに慣れなくてはならなくなります。これと同じことが、あまりにも低いカロリー摂取を行った場合にあてはまるのです。
カロリーが基礎代謝量以下に減らされると、体はそれに適応し、代謝を遅くします。ですから、たとえ低カロリーでも、脂肪を落とすことが難しくなるわけです。
あなたの体のエンジンである基礎代謝は、カロリーが長い間あまりにも低く抑えられた場合、それに慣れ、低いレベルで燃えるようになるのです。
基礎代謝量にプラスするカロリー
基礎代謝を下げることなく一日に取ることができる最低限のカロリーを確認した後は、それぞれのライフスタイルを送るために、どのくらいのカロリーが必要なのかを知ることが大切です。
つまり、基礎代謝量にカロリーを足すということです。だからこそ、人は仕事や運動ができるのです。
ここで、どのくらいのカロリーを加えればよいかを知る簡単な方法を紹介しましょう。それは基礎代謝量(BM) に、あなたのライフスタイルに合ったカロリーを加えるのです。
非常に活動量の多い人:BM×1+BM
活動量の多い人:BM×0.7+BM
活動量が普通の人:BM×0.4+BM
活動量が少ない人:BM×0.2+BM
これにしたがえば、非常に活動量が多く、基礎代謝量が1200 (筋肉が60kgある)の人の場合、一日に2400カロリー必要ということになります。
同じく基礎代謝量が1200で、活動量の多い人、普通の人、少ない人は、それぞれ2040カロリー、1680カロリー、1440カロリー必要です。あなたはどの区分に当てはまるでしょうか?
非常に活動量の多い人
肉体労働者、建設作業員、郵便配達員、大工、庭師などで、なおかつ一週間に6回以上ハードなワークアウトをしている人
活動量の多い人
肉体労働者で、一週間に3回程度ハードなトレーニングをしている人か、デスクワークをしていて、一週間に6回以上ハードなワークアウトをしてる人
活動量が普通の人
デスクワークをしていて、一週間に3回程度トレーニングをしている人か、肉体労働者で、エクササイズをしていない人
活動量が少ない人
肉体労働者でもなく、エクササイズもしていない人
筋肉をつけることが、最も効果的で効率よく、長期的に見ても成功する、体脂肪を落とすための方法です。筋肉は基礎代謝量を上げます。
筋肉が40kgある女性がウェイトトレーニングを始め、一年で5kgの筋肉をつけたとします。今や彼女には45kgの筋肉がついているので、ただ寝ていても一日に900カロリー(45×2+0=900)必要とします。
筋肉をつけることが基礎代謝量アップにつながる!というわけです。