韓国ボディフィットネスの至宝 Jinwon Lee (1/2)
ボディフィットネスを始めたきっかけ
大学卒業後、トレーナーとして仕事がしたく、グレートジムで最初は掃除のアルバイトをから始めた。その時、リュ・ジェヒョンコーチと出会ってトレーニングを一から学ぶようになり、2010年末、自然と試合に出るようになり最初の大会で結果は2位だった。その結果を踏まえ、一生懸命頑張れば1位も夢ではないと思うようになり、よりトレーニングに励むようになった。
しかし、2011年の韓国での結果は予選敗退に終わってしまった。その当時は女性選手の参加率が低かった為、女性選手は出場さえすれば入賞だったのに、そのような結果になってしまった。極度の緊張により震えてしまい、思うように体が動かなかった。その時の衝撃は計り知れず、あまりの悔しさに手が震えるほどだった。
しかし、この経験が私の勝負根性に火がついた瞬間だった。その悔しさをバネに、“もう一度挑戦しよう”という思いで、より一層トレーニングに集中し、ポージングの練習も寝る間も惜しまず頑張った。 一生懸命努力した甲斐あって、再び納得の行く結果を得るまでになった。
スポーツの経験は
トレーニングを始めて4年になるが、その前はベリーダンス以外はなにもやっていなかった。大学は体育学科だったが、舞踊専攻でウェイトトレーニングの経験をしなかった。
ボディフィットネスの魅力
ボディビルディングは、筋肉に力を入れて、筋肉を大きくさせるものであるが、ボディフィットネスはラインアップの姿勢から筋肉を表現しなければならない。即ち、節制をしながら表現しなければいけないのである。優雅さと女性美を極めることができるのが、ボディフィットネスの魅力だ。
ボディフィットネスを一言で定義するならば
女性美のトータルパッケージ。女性として表現できる‘美’の全てである。頭から足のつま先まで、ヘアースタイル、衣装、アクセサリー、靴など、全てを動員して女性の美しさを表現するものである。
最も記憶に残る大会
2つあるが、1つは、予選敗退という辛酸をなめた2011年の韓国大会。初めて自分の存在が、後ろに立っているただの屏風のように感じられた。気持ちを新しく切り替えるきっかけになった大会だった。そしてもう1つが同じ年に行われた日韓親善大会。中村静香という日本人選手いるが、彼女はアジアチャンピオンであった。その選手の競技を見せる為に、当時、ホン・ヨンピョ副会長がわざわざ私を連れて行ってくれたのだった。その時副会長は、“敵を知り己を知れば百戦危うからず”とおっしゃった。中村選手の試合を見ながら、特徴と長所・短所を注意深く分析し、日記に記録した結果、その次の年のアジア大会に出場した時、中村選手に勝つことができたのだった。
私はその時、“勝たせて下さい”と祈る気持ちで試合に挑んだ。フィットネスは優雅に見えなければいけないが、目からレーザーを飛ばし、やり過ぎと思われるぐらい一生懸命やったように思う。その試合で中村選手は銅メダルをとり、カザフスタン選手が金メダルを獲得した。敵を知り己を知れば百戦危うからずという言葉がどういうことなのか、悟ることができた瞬間だった。
選手として、もう一段階高みに上ることができたきっかけ
ジェニー・リンという、オリンピア・フィギュア選手の影響を大きく受けた。それまでは舞台に立つ時、飾り立てることに集中していたが、ジェニー・リンの試合映像を見ながら、上手に運動すれば良い体ができ、良い体ができてこそ、美しく見えるという単純な常識を、今更気付くこととなった。立っている時に筋肉を美しく見せるには、筋肉量が相当多くなければならない。筋肉の量をより増やす為に、ジェニー・リンのように精巧にトレーニングするようになった。
大会に向けて準備する時、最も重点を置く部分
筋肉の場合、特に腹筋を美しく見せる為に努力する。初めは全ての部位の欠点を減らすことに集中していたが、競技に出てみると、女性選手たちが最もアピールできる部位が腹筋であることに気付いた。その為、腹筋鍛錬に力を注ぐのである。
そして、腹筋より更に重要なのが精神だ。ぶれない精神力をつけることが何よりも重要だ。一度精神が崩壊すると、2〜3日影響を受ける。そういう時は迅速に精神を立て直す為に努力する。祈りを捧げ、日記を書き、熱いお湯のシャワーを浴びる。今年から週末に教会で子供たちに教えることになったのだが、週末に子供たちに会う度に精神が浄化されている気がする。
トレーナーのリュ・ジェヒョン氏と
ボディビルディング大会当日のコンディション維持方法
試合当日に自分でお化粧し、髪を整えるというのは結構大変なことだ。お化粧を自分でしようとすると、お化粧を上手くしなければというプレッシャーから、様々な思いが生まれるが、そういう雑念を全て取り払うことができれば、体にだけ集中することができると思う。
本来、私はベリーダンスをやっていたので、お化粧は自分でできるが、最近は疲れてしまうので、専門の人に任せてやってもらっている。そして試合当日は、暖かくして横になっているのが良いと思う。舞台に上がるまで体を温めることが大切だ。
舞台上で最も重要だと思うこと
真実性が最も重要だと思う。私が一生懸命準備すれば、切実さと誠実さが舞台で自然と溢れ出るはずだ。一時期、自分の体が素晴らしいと錯覚していたことがあったが、それが2013年の韓国大会の時だった。そのおごりから、哀切に切実にアピールすることができなかったのだと思う。
真実性が最も重要だと思う。私が一生懸命準備すれば、切実さと誠実さが舞台で自然と溢れ出るはずだ。一時期、自分の体が素晴らしいと錯覚していたことがあったが、それが2013年の韓国大会の時だった。そのおごりから、哀切に切実にアピールすることができなかったのだと思う。
- Coverage&Photo :
- Yasu Nakajima
- Special thanks :
- GREAT GYM
フィットネス&ボディメイク情報誌
[ PHYSIQUE MAGAZINE 002 ]